不妊治療の3ステップとは?進め方やタイミングを紹介

基礎体温表と体温計

不妊治療を検討する際、「どのような流れで治療が進むの?」「いつ次のステップに進むべき?」など、不安や疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。

不妊治療は、ステップを踏んで段階的に進めるのが一般的です。
そのため、治療の全体像をあらかじめ理解しておくと、焦りや迷いを減らし、自分たちに合った判断がしやすくなります。

この記事では、不妊治療の3つのステップを中心に、それぞれの治療内容や進め方、次の段階へ進むタイミングについて分かりやすく解説します。

不妊治療とは

基礎体温表と虫眼鏡

不妊治療とは、妊娠を望んでいるにもかかわらず自然妊娠に至らない場合に、原因を調べたうえで、妊娠の可能性を高めるために行う医療的サポートのことです。

公益社団法人 日本産科婦人科学会では、「不妊症」を以下のように定義しています。

妊娠を望む健康な男女が、避妊をしないで性交していたにもかかわらず、1年間妊娠しない場合

出典:公益社団法人 日本産科婦人科学会「不妊症

かつて日本では「2年間妊娠しない場合」を不妊症と定義していましたが、国際的な基準や晩婚化の進行などを背景に、2015年からは「1年間」に見直されました。
一定期間妊娠に至らない場合は、早めに専門医へ相談することが推奨されています。

不妊の原因は一つとは限らず、女性側、男性側、または両方に要因が見られるケースも少なくありません。
さらに、検査を行っても明確な原因が特定できない「原因不明不妊」も一定数存在します。

以下は、一般的に考えられている主な不妊の原因です。

不妊の原因(女性側) 特徴
排卵因子 体重の急激な変動やホルモンバランスの乱れなどが影響し、排卵が起こりにくい、または不規則な状態
卵管因子 子宮内膜症や過去の炎症などにより、卵管が狭くなったり詰まったりして、精子と卵子が出会いにくい状態
子宮因子 子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどが原因で、受精卵が着床しにくい環境になっている状態
頸管因子 子宮頸管の粘液が少ない、または粘性が高く、精子が子宮内に入りにくい状態
免疫因子 精子を異物と認識してしまい、受精を妨げる抗体が作られるなど、免疫機能に問題がある状態
原因不明 検査では明確な異常が見つからないものの、妊娠に至らないケース

出典:一般社団法人 日本生殖医学会「Q4.不妊症の原因にはどういうものがありますか?

不妊の原因(男性側) 特徴
造精機能障害 精子の数が少ない、運動率が低い、形態異常が多いなど、精子の質に問題がある状態
性機能障害 ED(勃起不全)や射精障害などにより、自然な性交が難しい状態
精路通過障害 精子は作られているものの、精子の通り道が塞がり、精液中に精子が含まれない状態

出典:一般社団法人 日本生殖医学会「Q4.不妊症の原因にはどういうものがありますか?

不妊症が疑われる場合、まず夫婦そろって検査を受け、原因を把握することが重要です。
その結果をもとに、体への負担や年齢、妊娠までにかけられる時間などを考慮しながら、不妊治療を進めていきます。

不妊治療には3つのステップがあり、段階的に進めていくのが一般的です。
一定期間同じ治療を続けても妊娠に至らない場合、次の治療法へ移行することで、妊娠の可能性を高めていきます。

この3つのステップを理解しておくことが、不妊治療を前向きに進めるための大切なポイントになるでしょう。

不妊治療のステップ1:タイミング法

月経周期表と体温計

不妊治療の最初のステップとして行われるのが、タイミング法です。

タイミング法とは、排卵日をできるだけ正確に予測し、妊娠しやすい時期に合わせて性交渉を行うことで、自然妊娠の可能性を高める治療方法です。

医療機関では、超音波検査によって卵胞の大きさや子宮内膜の状態を確認したり、尿中ホルモン検査を行ったりしながら排卵日を予測します。
その結果をもとに、排卵の1〜2日前から当日にかけての適切なタイミングが指導されるのが基本的なやり方です。

タイミング法は、自己流の排卵日予測よりも精度が高く、妊娠のチャンスを効率的に高められる点が特徴です。身体への負担も少ないことから、不妊治療の最初のステップとして行われます。

ただし、排卵の確認や経過観察のために、月に数回の通院が必要になることもあります。
排卵が不規則な場合や卵胞の成長が十分でない場合には、排卵誘発剤の内服や注射を併用し、排卵をサポートするケースもあるでしょう。

一般的には、年齢や不妊期間にもよりますが、数周期から半年程度を目安に行い、妊娠に至らない場合は次のステップを検討することが多くなっています。

不妊治療のステップ2:人工授精

人工授精の絵

タイミング法を一定期間続けても妊娠が成立しない場合、次のステップとして人工授精が検討されます。

人工授精とは、採取した精液を洗浄・濃縮し、運動性の高い精子を選別したうえで、排卵のタイミングに合わせて子宮内へ直接注入する治療方法です。

通常の性交渉では、膣内に射精された精子が子宮頸管や子宮内を通過し、卵管まで到達する必要がありますが、人工授精ではこの過程の一部を省略できます。
そのため、精子が卵子に出会う確率を物理的に高められる点がメリットです。

特に、軽度の男性不妊や性交渉のタイミングが取りづらい場合、頸管因子が疑われる場合などに選択されることが多くなっています。
処置自体は短時間で終わり、痛みや身体的な負担も比較的少ないため、仕事と両立しながら治療を続けやすい点も特徴です。

人工授精後の受精や着床の仕組みは自然妊娠と同じであり、体外で受精操作を行うわけではありません。
費用も体外受精に比べると抑えやすく、数回繰り返し行うことで妊娠を目指します。

一般的には、5〜6回程度を目安に次のステップを検討するケースが多く見られます。

不妊治療のステップ3:体外授精

体外受精の絵

タイミング法や人工授精でも妊娠が難しい場合に、第3のステップとして検討されるのが体外受精です。

体外受精では、排卵誘発を行ったうえで採卵手術により卵子を体外へ取り出し、精子と受精させます。受精後は数日間(2〜6日程度)培養し、発育状態の良い胚を選んで子宮内に戻すという治療法です。

体外受精は、卵管の閉塞や重度の男性不妊、高年齢による妊娠率低下など、自然な受精が難しいケースでも妊娠を目指せるのが特徴です。
日本では体外受精による出生数が年々増加しており、現在では一般的な不妊治療の選択肢となっています。

一方で、採卵手術やホルモン治療による身体的な負担が大きく、通院回数も増えるため、体外受精は心身ともに負担を感じやすい治療です。
保険適用となった場合でも、自己負担額は1回あたり10〜20万円程度かかることが多く、経済的な計画も重要になるでしょう。

体外受精は一度で必ず妊娠に至るとは限りません。
そのため、治療スケジュールや費用、年齢などを踏まえながら、「どのくらいの期間続けるのか」「何回まで挑戦するのか」といった目安を、事前にパートナーと話し合っておくことが大切です。

不妊治療でステップアップする目安とタイミング

3つのステップの木

不妊治療は、タイミング法・人工授精・体外受精という3つのステップを段階的に進めていくのが一般的です。
そのため、「いつ次の治療に進むべきか」は多くの方が悩むポイントと言えるでしょう。

ステップアップの判断には、治療期間だけでなく、年齢や不妊の原因、これまでの治療経過などを総合的に考慮することが重要です。
医師と相談しながら、妊娠の可能性と心身への負担のバランスを見極めていきます。

タイミング法→人工授精に進むタイミング

タイミング法から人工授精へ進む目安は、一般的に半年程度とされています。
排卵のタイミングを正確に合わせても妊娠に至らない場合、精子が卵子に出会う確率を高めるために人工授精を検討します。

ただし、女性の年齢が35歳以上の場合は、妊娠率が年齢とともに低下することを考慮し、半年を待たずに早めのステップアップが勧められることもあります。
また、男性側に造精機能障害などの不妊因子が認められる場合には、タイミング法の効果が限定的になるため、比較的早い段階で人工授精に移行するケースも少なくありません。

人工授精→体外受精に進むタイミング

人工授精を5〜6回程度行っても妊娠に至らない場合は、体外受精へのステップアップを検討するのが一般的です。
人工授精は自然妊娠に近い方法である一方、受精そのものを補助する治療ではないため、一定回数を重ねても結果が出ない場合には、次の選択肢を考える必要があります。

特に、女性の年齢が35歳を超えている場合や、男性不妊の要因がある場合は、妊娠までにかけられる時間を意識した判断が重要です。タイミング法や人工授精をほとんど行わず、早期に体外受精へ進むケースも珍しくありません。

年齢や状況に応じて柔軟に治療方針を見直すことが、不妊治療を後悔なく進めるための大切なポイントとなります。

関連記事:体外受精へのステップアップ、転院を考えるタイミングとは?

不妊治療のステップアップは医師と相談のうえ決定しよう

不妊治療は、タイミング法から人工授精、体外受精へと段階的に進めていきますが、ステップアップに適した時期は一人ひとり異なります。

女性の年齢や不妊の原因、これまでの治療経過によって、同じ治療を続けるべきか、次の段階へ進むべきかの判断は変わってきます。
そのため、ステップアップのタイミングについては、自己判断せず、医師やパートナーと十分に話し合いながら慎重に決めることが重要です。

また、不妊治療は身体的な負担だけでなく、精神的なストレスも大きくなりやすい治療です。治療期間が数ヶ月で終わるケースもあれば、数年単位で続くこともあり、途中で不安や迷いを感じる方も少なくありません。
難しい治療だからこそ、疑問や不安を相談しやすく、治療方針について丁寧に説明してくれる医師の存在が大切になるでしょう。

不妊治療では、転院を選択すること自体は珍しいことではなく、より自分に合った医療機関を探すことも前向きな選択の一つです。

関連記事:不妊治療で病院を変えるタイミングは?判断するポイントや注意点を紹介

ただし、体外受精にステップアップした後に病院を変更する場合は、凍結胚(受精卵)の移送が必要になることがあります。
移送は医療機関が手配してくれる場合もありますが、自身で手続きを行うケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。

CryoSend(クライオセンド)では、日本国内はもちろん、海外のクリニックへの凍結胚・卵子・精子の輸送サービスを提供しています。
創業以来、徹底した温度管理体制のもとで事故は発生しておらず、極低温輸送が可能なドライシッパーを使用し、経験豊富なスタッフがハンドキャリーで輸送を行っています。
輸送中の温度変化を確認できるデータロガーを使用するなど、凍結胚輸送における安全対策も徹底しています。

不妊治療のステップアップや転院を検討するなかで、凍結胚の輸送が必要になった場合は、ぜひCryoSendにお気軽にご相談ください。

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