治験薬・治験使用薬とは?管理方法、搬入・回収について解説

様々な種類の薬

治験薬や治験使用薬は、臨床試験において患者に投与される薬剤です。

保管や管理、配送・搬入、そして使用後の回収まで、厳格な管理が求められます。

この記事では、治験薬の基本的な定義、管理方法や搬入・回収時のポイントについて詳しく解説します。

治験薬とは

薬の容器

治験薬とは、まだ市販されていない新薬候補や改良薬剤のことで、臨床試験においてその有効性や安全性を評価するために使用されます。

厚生労働省や独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の厳格な基準に基づき、製造や管理が行われているのが特徴です。

これにより、試験の結果が正確で信頼性の高いものとなることを保証しています。

「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」に基づく治療薬の定義は、以下の通りです。

「治験薬」とは、被験薬及び対照薬(治験に係るものに限る。)をいう。

「被験薬」とは、治験の対象とされる薬物又は製造販売後臨床試験の対象とされる医薬品を

「対照薬」とは、治験又は製造販売後臨床試験において被験薬と比較する目的で用いられる薬物をいう。

※医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成九年厚生省令第二十八号)第二条(定義)より

治療と治験の違い

治療と治験は、その目的が大きく異なります。

治療とは、既に有効性や安全性が確認された薬剤を使用し、患者の症状改善を目指すものです。

一方、治験は新薬候補を用いて、その効果や副作用を確認することが主な目的となっています。

治験薬を使用する際には慎重な管理が求められ、患者の同意のもとで進行するのが特徴です。

治験薬と治験使用薬の違い

治験薬とは、臨床試験に用いられる被験薬及び対照薬を指します。

治験使用薬とは、治験において被験薬の有効性及び安全性の評価のために使用される薬剤で、治験計画届書及び治験実施計画書において規定された既承認有効成分又は未承認有効成分を含む薬物(被験薬を含む。)を指します。

治験では、被験薬(治験薬)の効果を評価するために、プラセボや既存の治療薬と比較することが一般的ですが、治験使用薬の定義にはこれらすべてが含まれるという違いがあります。

「治験薬」とは、被験薬及び対照薬(治験に係るものに限る。)をいう。

「治験使用薬」とは、被験薬(治験に係るものに限る。以下この項において同じ。)並びに被験薬の有効性及び安全性の評価のために使用する薬物をいう。

「治験使用薬等」とは、治験使用薬又は治験使用薬と成分が同一性を有すると認められる薬物をいう。

※医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成九年厚生省令第二十八号)第二条(定義)より

治験使用薬の管理方法

薬の容器を持っている手

治験使用薬の管理には、適切な保管、温度管理、配送・搬入、そして使用後の回収まで、多くの工程があります。

臨床試験の結果の信頼性を確保するには、これらの管理が厳密に行われることが重要です。

管理責任について

治験使用薬の管理責任者は、医療機関や試験実施施設で指名され、治験薬の受領から使用、回収、廃棄に至るまでの一連の管理を監督します。

  • 治験薬の適切な保管
  • 使用状況の記録
  • 品質の維持

治験依頼者が作成した治験使用薬の手順書に従い、治験使用薬の受領、在庫、被験者毎の使用状況、治験依頼者への返却等の記録を作成し、保存することが求められます。

また、温度や湿度を管理し、治験薬の品質を維持することも重要です。

温度管理について

治験使用薬の温度管理は、治験依頼者が作成した治験使用薬の手順書に基づいて実施します。

温度管理のポイントは、以下の通りです。

  • 温度記録の徹底
  • 異常時の対応
  • 輸送時の管理

24時間監視できる温度記録装置(温度ロガー)を使用するのが一般的です。

温度逸脱が発生した場合に直ちに報告し、適切な対処を行う仕組みを整えましょう。

また、輸送時の温度管理にも注意してください。

専用のクーラーや断熱材を使用して、輸送中も一定の温度を維持することが重要です。

マイナス150℃以下の極低温での管理が求められる治験使用薬は、ドライシッパーなどの専用容器を用いて低温輸送を行います。

配送・交付について

治験使用薬の配送・交付は、専門的なノウハウが求められるプロセスです。

薬剤は、厳密に温度管理された輸送手段で配送され、受領者が記録を確認して受け取ります。

また、薬剤交付時には患者に対して使用方法や注意点を詳しく説明することが義務付けられています。

搬入・回収について

治験薬の搬入から回収までの一般的な流れは、以下の通りです。

  1. 搬入:治験薬が医療機関に到着後、担当者が内容物を確認し、適切に保管
  2. 使用記録の管理:患者への投与状況を記録(残薬があればその状況も記録)
  3. 回収:試験終了後、未使用分や空容器を回収し、適切に廃棄

治験薬・治験使用薬の配送はCryoSend(クライオセンド)にご相談ください

女性に押す段する2人の女性

治験薬・治験使用薬の管理は、臨床試験結果の正確性や信頼性を確保するために重要なプロセスです。

搬入後の保管・管理を徹底するのはもちろん、配送時の温度変化や衝撃等によって品質が低下する場合もあるため、専門的なノウハウを有するプロの輸送業者に依頼することをおすすめします。

CryoSend(クライオセンド)は、ドライシッパーを用いた極低温の輸送サービスを提供しています。

経験豊富なスタッフがハンドキャリーを行い、治験薬・治験使用薬を安心・安全に輸送いたします。

創業以来、国内外の医療機関や研究機関へ2,500件以上の輸送実績を誇りますが、輸送中に事故やトラブルが発生したことはございません。

詳しいサービス内容や利用料金については、ぜひクライオセンドまでお気軽にお問い合わせください。

 

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