検体輸送の方法や確認すべき法律について

検体の輸送は、自分で運ぶ方法と専門業者に依頼する方法があります。また、検体輸送においては、遵守すべき法律がいくつかあるため、事前に確認が必要です。

この記事では、検体輸送の方法や遵守すべき法律、検体輸送にかかる費用について紹介していきます。

検体輸送の方法とは

検体とは、検査や分析の対象になるものを指します。

例えば、ヒトの血液や細胞、精子や卵子、受精卵などは、生体試料と呼ばれる検体の一種です。

検体を輸送するには、自分で行う方法と専門業者に依頼する方法があります。

自分で輸送する方法

検体の輸送には、「ドライシッパー」と呼ばれる専用の容器が必要です。

自分で検体を輸送する際は、ドライシッパーをレンタルもしくは購入し、手荷物として運ぶことになります。

業者に依頼するよりも費用がかからないというメリットがありますが、ドライシッパーは5kg以上の重量があるものが多く、輸送中の温度管理も徹底しなければならないため、品質低下や損傷、紛失といったリスクを伴います。

検体の自己輸送は、輸送に伴うリスクをすべて自分で背負わなければならないのがデメリットです。

専門業者に依頼する方法

検体の輸送は、ドライシッパーの手配はもちろん、輸送の全行程を専門業者に依頼することも可能です。

人件費がかかるため、もちろん費用はかかりますが、実績豊富な専門スタッフに任せることができ、徹底した温度管理のもと、安心かつ確実に輸送できる安心感があります。

検体輸送において遵守すべき法律

検体を輸送する際は、知っておくべき法律がいくつかあります。

感染症法に基づく病原体管理規制

検体の中でも生体試料を輸送する場合は、感染症法が関係します。

なかでも重要なのが「病原体管理規制」です。

これは、生物テロに使用される恐れがある病原体等の所持や輸入の禁止に関する規則で、病原体については一種病原体等から四種病原体等までが特定されています。

病原体等の受け入れについては、事前に許可や届出が必要になる場合もあるので、当てはまる可能性がある場合は、事前に確認しておくようにしましょう。

航空法

生体試料の輸送に当たっては、航空法の遵守も大切なポイントです。

特に感染性物質(患者検体等)については、輸送に使用する容器やラベル表示の方法などに細かい規定があるため、事前に確認が必要です。

また、検体は危険物にあたるため、航空会社によっては輸送自体を断られるケースもあります。

各公共交通機関の約款等

公共交通機関の約款等にも、持ち込み可能な荷物についても規定があります。

例えば、生体試料の輸送に用いられるドライシッパーは、液体窒素を吸着させた容器であるため、高圧ガスの危険物に該当し、電車やバスに手荷物として持ち込めないケースもあります。

検体輸送にかかる費用について

検体輸送には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

自分で運ぶ場合

自分で運ぶ場合、必要になるのはドライシッパーのレンタルもしくは購入料金、そして液体窒素の購入料金です。

ドライシッパーのレンタル料金は、利用期間や利用方法等によって異なります。詳しくは各社へお問い合わせをしましょう。

専門業者に依頼する場合

業者に依頼する場合には、ドライシッパーのレンタル料金や液体窒素の料金に加え、輸送を担当するスタッフの人件費や、航空輸送の場合は航空チケット代などが必要です。

CryoSend(クライオセンド)では、首都圏内の輸送であれば66,000円にて承っています。

輸送サービスに含まれる内容や、使用される容器の性能などは業者によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。

検体輸送が必要なケース

実際にどのようなケースに置いて、検体輸送が必要となるのでしょうか。

総合的に極低温流通サービスを提供しているCryoSendが実際に手がけてきた事例を元に、検体輸送が必要な具体例について紹介します。

民間企業等の研究所、大学等の研究室の移動・移転および在庫の移送

研究室を移転する際には、取り扱っている検体をすべて新しい場所に移送する必要があります。

時には数万本もの研究試料を移動させなければならないこともあるでしょう。

大学内や病院内など、限られた敷地内での研究室の移動の場合にも、検体の持ち運びには徹底した温度管理と細心の注意が必要です。

また、移転しなくても在庫の移送が必要な場面において、検体を輸送するケースも珍しくありません。

IVF関連輸送

IVFとは、「In Vitro Fertilization」の略称で、卵巣から採取した卵子と精子を受精させ、2日〜6日間に渡って培養してできた胚を子宮に戻すという不妊治療、いわゆる「体外受精」のことを指します。

IVF関連としては、不妊治療中の転院に伴う国内外のクリニック間の移送や、海外での卵子提供、精子提供、代理出産等の利用時、着床前遺伝子診断を受けるためといった場面で検体の輸送が必要となります。

動物の凍結受精卵、精子等の輸送

研究や動物の繁殖のために、牛や豚、マウス、犬や猫などの動物の受精卵や精子等の輸送が必要なケースもあります。

動物の凍結受精卵、精子等は、人間と同じく命のもとであるため、徹底した温度管理の下、慎重な取り扱いが必要です。

また、受精卵や精子、精液、さらにフンや尿についても、「家畜伝染病予防法」の定める指定検疫物となっているため、輸送については動物検疫所で検査を受ける必要があります。

検体輸送は信頼できる専門業者に依頼しよう

検体の輸送に関しては、徹底した温度管理や丁寧な取り扱いが求められ、遵守すべき法律の確認、専用容器の手配など、検体の自己輸送には大変な手間と時間がかかります。

また、検体の輸送には破損や死滅といったリスクも伴うため、そのすべての責任を自分で背負うのは大きな負担となるでしょう。

検体の輸送については、信頼のおける専門業者に任せることをおすすめします。

CryoSendのコールドチェーン輸送は、ラボや研究室の移転に伴う研究試料の移転や、IVF関連のクリニック間での凍結受精卵等の移送、さらには動物の生体試料の輸送に至るまで、豊富な実績を誇っています。

業界最高水準のドライシッパーを必ず利用し、専門知識豊富なスタッフが検体輸送をサポートします。

ハンドキャリー輸送はもちろん、航空輸送にも対応できますので、国内外のあらゆる目的地まで検体をお運びいたします。

検体の輸送に関してお悩みの方は、お気軽にCryoSendまでご相談ください。

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