不妊治療中に転院が必要になった場合、凍結胚の移送に頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。凍結胚の移送は可能ですが、慎重に行うことが大切です。
この記事では、不妊治療中の転院に伴う凍結胚移送の流れと安全に移送する方法について解説します。
不妊治療中の転院で悩む凍結胚の取り扱い
不妊治療中、やむを得ない理由で転院しなければならない場合、クリニックに保管している凍結胚をどうするか検討しなければいけません。
凍結胚の移送には費用がかかるほか、破損や紛失、死滅といったリスクも伴います。
しかし、転勤などで遠くの地域に引越さなければならない場合、遠く離れたクリニックに通うよりも凍結胚を移送したほうが、効率良く不妊治療を継続できるケースも多いでしょう。
また、転院先のクリニックで新たに胚を凍結保存するという選択肢もありますが、必ずしも質の良い胚が採取できるとは限りません。
最近では、転院時の凍結胚の国内移送も比較的簡単にできるようになってきています。不妊治療中の凍結胚移送についてはご夫婦でよく話し合い、しっかりと検討することが大切です。
不妊治療中に凍結胚を移送する流れ
不妊治療中の転院に伴う凍結胚の移送の流れは、以下の通りです。
①通院中のクリニック・転院先のクリニックに相談
まずは、通院中のクリニックと転院先のクリニックのそれぞれに、凍結胚の移送が可能かどうかを確認し、日程や手続きの流れについて相談しましょう。
凍結胚の移送が可能であれば、医師や培養士に相談して具体的な説明を聞きます。
②移送に使用する容器・移送方法の検討
凍結胚の移送は、自分で行う方法と専門業者に依頼する方法とがあります。凍結胚の移送はリスクを伴うため、クリニックは関与しないのが一般的です。
また、凍結胚の移送には、ドライシッパーという専用の容器を使用します。ドライシッパーとは、液体窒素を充填することで、マイナス150度以下の極低温状態を保つ特殊な輸送容器のことです。衝撃の吸収性にも優れていて、国際航空輸送規則に準じた構造になっているため、航空輸送に用いられることもあります。
クリニックによってはドライシッパーの貸し出しを行っているケースもありますが、自分で用意しなければならないケースも多いでしょう。凍結胚移送の専門業者であれば、ドライシッパーの手配はもちろん、クリニックや空港に提出する書類の作成、移送まですべて任せることも可能です。
③移送日程の調整
凍結胚の移送日程については、通院中のクリニックと転院先のクリニックの双方に確認して調整する必要があります。
凍結胚移送を専門業者に依頼する場合は、日程の調整についても業者に任せることができます。
④移送完了
凍結胚の移送日になったら、通院中のクリニックから凍結胚を持ち出し、転院先のクリニックまで慎重に移送しましょう。
凍結胚が到着し、持ち込み手数料の支払いなどの手続きも完了すれば、移送完了となります。
凍結胚移送を専門業者に移送する場合には、移送完了のお知らせが届くでしょう。
不妊治療における凍結胚移送のリスク
不妊治療において、転院に伴う凍結胚の移送はリスクを伴うものです。
凍結胚の移送方法としては、自分で運ぶか専門業者に依頼するほかに、宅配業者を利用することもできますが、破損や紛失のリスクもあります。そのため、不妊治療クリニックで宅配業者を利用した凍結胚の移送を推奨するケースはほとんどありません。
また、凍結胚の移送には徹底した温度管理が求められます。ドライシッパーを用いるのはもちろん、容器内の温度は移送中も監視するなど、慎重な対応が必要となるでしょう。
特に、遠方の地域への転院が必要な場合、海外への凍結胚移送が必要な場合は、凍結胚移送の実績のある専門業者に依頼することをおすすめします。
不妊治療中の転院、凍結胚移送は慎重に
凍結胚の移送は、以前よりも簡単にできるようになってきています。多くのクリニックが凍結胚の持ち出しや持ち込みを受け入れており、手続きもスムーズに行えるようになってきています。
そのため、やむを得ない理由で不妊治療中に転院せざるを得なくなったとしても、凍結胚の移送に関しては、それほど気に病む必要はありません。正しい方法で適切に管理をすれば、凍結胚の安全な移送は可能です。
凍結胚の移送は、ドライシッパーをレンタルして自分で運ぶことも不可能ではありませんが、信頼のおける専門業者に任せるのも一つの方法です。
CryoSend(クライオセンド)には、日本国内のみならず、世界中のクリニックや病院に凍結胚や精子、卵子を輸送してきた実績があります。凍結胚移送には安定した極低温状態を長期間維持できる業界最高水準のドライシッパーを必ず利用しており、移送の全行程を経験豊富な専門スタッフが担当しております。また、クリニックや航空会社、税関や空港セキュリティーに提出する書類作成のサポートも可能です。
凍結胚の移送方法や費用についても、ぜひお気軽にお問い合わせください。