不妊治療の転院に紹介状は必要?内容や依頼方法、注意点を解説

紹介状

不妊治療を続ける中で、「今の病院が合わない」「別の治療法を試したい」と感じ、転院を検討するのは珍しいことではありません。
その際によく疑問に挙がるのが、「紹介状は必要なのか?」という点です。

紹介状がないまま転院すると、検査や治療が重複したり、診療情報が正しく引き継がれないなどのリスクが生じる場合があります。

この記事では、不妊治療の転院時に紹介状が必要な理由や依頼の方法、紹介状なしで転院する際の注意点など、わかりやすく解説します。

不妊治療で転院するなら紹介状をもらおう

医者と患者
不妊治療で転院する場合、紹介状は必ずしも必要ではありません。
紹介状がなくても転院自体は可能ですが、紹介状があると新しい病院でスムーズに治療を再開でき、これまでの経過を無駄にせず次のステップへ進めます。

紹介状が必要な理由

病院からの紹介状は、これまでの治療経過や検査結果を正確に次の医師へ伝えるための大切な書類です。
医師同士が治療経過や反応の傾向を共有できるため、転院後も無駄のないスムーズな診療が受けられます。

特に不妊治療では、排卵周期のデータ、ホルモン検査値、採卵や移植の履歴など、過去の情報が今後の方針決定に影響するケースが多いです。
紹介状を通じて前の主治医の見解や治療方針が伝わると、転院先の医師がより精度の高い診断をしやすくなるでしょう。

また、紹介状を持参することで、医師との意思疎通がしやすくなるというメリットもあります。
これまでの治療の経過を引継いだうえで、新しい治療方針を検討できるため、患者自身も安心して治療を続けられるでしょう。

紹介状の内容

紹介状に記載される内容は医師・医療機関ごとに異なるものの、以下のような情報が記載されるのが一般的です。

  • 現在の診断名・治療経過の概要
  • 採卵・移植の回数や日付、胚の状態
  • ホルモン検査やAMH値などの検査結果
  • 使用した薬剤や副作用の有無
  • 医師の所見および今後の治療方針に関するコメント

これらは新しい病院での治療方針を立てるうえで非常に重要な情報です。

特に体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)を受けている場合、培養結果や胚のグレードなど細かいデータが治療成功率に関わります。
紹介状とあわせて、検査データや超音波画像などをコピーでもらえる場合は、必ず一緒に提出しましょう。

紹介状の依頼方法

紹介状を依頼する際は、まず現在通っている医療機関に「転院を検討している」旨を正直に伝えましょう。
転院理由を伝えるのは気が引けるかもしれませんが、多くのクリニックでは丁寧に対応してくれます。

受付または医師に「転院先へ紹介状をお願いしたい」と伝えれば、1〜2週間ほどで発行してもらえるのが一般的です。

紹介状の発行には、保険適用外で1,000〜3,000円程度の費用がかかります。
即日発行に対応している場合もありますが、検査結果や画像データを添付する場合は日数がかかることもあるでしょう。

紹介状を受け取ったら、必ず封筒を開けずにそのまま転院先へ提出してください。
封が開けられていると無効とみなされる場合があるため注意が必要です。

不妊治療中、紹介状なしで転院するとどうなる?

採血管
紹介状を持たずに転院することも可能ですが、いくつかのリスクが生じる可能性があります。
ここでは、不妊治療の転院で、紹介状がない場合に起こりやすい4つのリスクを紹介します。

検査のやり直しが必要

紹介状がない場合、前の病院で実施した検査データが新しい医療機関に共有されません。
そのため、ホルモン検査や卵管通水検査、感染症検査、精液検査など、不妊治療に必要な検査を再度行う必要があります。

特に、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)を検討している場合は、基礎データが揃わないと次のステップに進めないため、治療スケジュール全体に影響がおよぶ可能性もあるでしょう。

初診料・検査費用がかかる

紹介状なしで転院する場合、初診扱いとなり、初診料が発生します。
大学病院や特定機能病院の場合は、「紹介状なし加算」として初診料に5,000〜7,000円程度が上乗せされます。

さらに、再検査を行うことになれば、再び検査費用がかかるため、合計すると数万円以上コスト負担が増える場合もあるでしょう。

治療が中断するリスク

不妊治療ではホルモン検査値や周期のタイミングが重要なため、紹介状がない場合は、過去の経過を自分で詳しく説明しなければいけません。

これまでの治療経過や薬の処方内容、採卵・移植のスケジュールなどが正確に伝わらないと、転院先の医師が判断に迷うことになります。

結果として、排卵周期を1〜2回分見送るなど、一時的な中断が避けられない場合もあるため注意が必要です。

不妊治療で転院する際の注意点

患者と医者が向き合っている絵

不妊治療を続ける中で転院を決める際は、紹介状の有無だけでなく、いくつか注意すべきポイントがあります。
転院をスムーズに進めるために、以下のポイントを確認しておきましょう。

転院のタイミングを見極める

治療の途中やホルモン療法中に転院すると、薬の切り替えや採卵・移植のスケジュール調整が必要になることがあります。
そのため、転院の時期は「治療サイクルの区切り」で行うのが理想です。

具体的には、生理周期が終わったタイミングや、採卵・移植が一段落した後などが望ましいでしょう。
また、転院先の予約状況によっては初診まで数週間かかることもあるため、早めに相談・予約を入れるのがおすすめです。

治療の記録を自分でも整理しておく

紹介状とは別に、自分でも過去の検査結果や治療スケジュールを把握しておくと、転院後の診察がスムーズになります。
ホルモン検査値、AMH値、採卵・移植の日付、使用薬剤などをノートやアプリにまとめておきましょう。

また、検査データや画像データを病院からコピーでもらえる場合は、USBや紙媒体で保管しておくと次のクリニックでも活用できます。

凍結胚の移送は専門業者に依頼する

凍結保存している胚や精子を転院先へ移送する場合は、専門の輸送業者に依頼するのが安心です。
自分で持ち運ぶと、温度変化や衝撃によって胚が損傷するリスクがあります。

CryoSend(クライオセンド)では、液体窒素を使用した専用容器ドライシッパーを用いて、マイナス150度以下の極低温状態を維持しながら安全に輸送を行います。

国内はもちろん、海外輸送にも対応しており、クリニックへの連絡や輸送書類の作成もすべて代行いたしますのでご安心ください。

関連記事:不妊治療中に転院する場合、凍結胚は移送できる?

不妊治療中の転院は慎重に!紹介状の必要性や凍結胚輸送の注意点を理解しよう

女医と女性患者
不妊治療中に転院する場合、現在通っている医療機関から「紹介状」をもらうことが重要です。
紹介状がなくても転院自体は可能ですが、紹介状を用意しておくことで治療経過や検査データが正確に引き継がれ、無駄な検査や治療の中断を防ぐことができます。

また、凍結胚の移送は温度管理が非常に重要なため、専門の輸送業者に依頼するのが安心です。

転院は新たなステップへ進む大切な決断です。
紹介状の取得やデータの整理、輸送手続きなどを丁寧に行い、次のクリニックでも安心して治療を継続できるように準備しておきましょう。

CryoSendは、極低温輸送のスペシャリストです。不妊治療の知識が豊富なプロフェッショナルが、ハンドキャリーにて対応します。
凍結胚の輸送に必要な手続きや安全な運び方を熟知しておりますので、安心してお任せください。
不妊治療中の転院に伴い、大切な凍結胚を安全安心な方法で輸送したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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