凍結胚移送に必要な専用容器「ドライシッパー」の価格について

クリニックの転院に伴い、凍結胚の移送が必要な場合があります。凍結胚の移送には、「ドライシッパー」と呼ばれる専用の容器が必要ですが、その価格はいくらなのか気になる方もいるでしょう。
この記事では、凍結胚の移送に必要なドライシッパーのレンタル価格や購入価格、ドライシッパーを使った輸送方法について解説します。

凍結胚移送に必要なドライシッパーとは

ドライシッパーとは、凍結胚や凍結卵子、精子、細胞といった生体試料の輸送に使われる特殊な容器です。容器内の吸着剤に液体窒素を吸着させることで、マイナス150度以下の極低温状態を維持し、生体試料の品質低下や破損、死滅などのリスクを低減することができます。また、ドライシッパーは吸着剤に液体窒素を吸収させるため、容器が倒れても液体窒素が漏れてしまうことはありません。衝撃の吸収性にも優れ、国際航空輸送規則にも準じた構造になっているので、航空機輸送にも用いられています。
ドライシッパーは安定性に優れているため、凍結胚を安全に移送するためには欠かせない容器です。ただし、容器自体には5kg以上の重量があるため、慣れない人が手で持ち運ぶのはとても大変です。

ドライシッパーのレンタル価格

専門業者に依頼せず、自分の手で凍結胚を移送するという方の場合も、ドライシッパーは必要です。
数は少ないものの、不妊治療中のクリニックでドライシッパーを貸し出しているケースもあり、また専門業者からレンタルすることも可能です。
ドライシッパーのレンタル料金は、貸出を行うクリニックや専門業者によっても異なりますが、1回(7日〜15日間ほど)で4万円〜10万円程度が目安となるでしょう。

自分で運ぶときの注意点

ドライシッパーの性能は、メーカーごとに異なります。低温状態をどれくらいの期間維持できるのか、衝撃の吸収性はどうなのかなど、容器の機能性をしっかりと確認しておきましょう。
また、ドライシッパーのレンタル料金には液体窒素の料金は含まれていません。レンタルした容器は液体窒素を吸着させないと使用できないため、別途用意する必要があります。

液体窒素の購入方法と価格

液体窒素は、マイナス196度という極低温状態になると気化し、体積が約700倍に膨張して窒素ガスとなるため、取り扱いには細心の注意を払う必要があります。
そのため、液体窒素を販売できる業者は限られていますが、高圧ガスを取り扱うガス業者や商社、またはガスの製造販売を担うメーカーなどで購入することができます。
通常、一般向けには販売されていないので、ドライシッパーを保有していることと凍結胚の移送に必要な旨を伝えて相談してみましょう。

ドライシッパーの購入価格

ドライシッパーを使う機会が多い場合は、レンタルではなく購入をすることもできます。
価格はドライシッパーの容量やメーカーによって異なりますが、1本あたり数十万円になるでしょう。

ドライシッパーを用いた輸送方法と費用

ドライシッパーを用いた輸送方法には、以下の2種類があります。

ハンドキャリー輸送

凍結胚をドライシッパーで輸送する場合、輸送中の品質低下や損傷、死滅などのリスクを低減することはもちろん、紛失や取り違えにも注意しなければいけません。
そのため、宅配便などで輸送するのではなく、ハンドキャリーでの輸送をおすすめします。

CryoSendでは、現在通院中のクリニックからお客様の大切な凍結胚をお預かりし、転院先のクリニックまで専任の輸送スタッフがハンドキャリー(手運び)でお届けします。転院先のクリニックにお届する際は、クリニックの培養士とともに、レポートに記載されている内容と凍結胚が合致するかをしっかりと確認して受け渡しますので、ご安心ください。
CryoSendのドライシッパーは、最長21日間マイナス150度以下の極低温状態を維持することができ、輸送中も温度データロガーによる温度監視と、お客様へのこまめな連絡を徹底しております。

コールドチェーン輸送

コールドチェーン輸送とは「低温物流体系」のことで、徹底した温度管理のもとで行われる輸送サービスです。
コールドチェーン輸送は一般貨物扱いでの輸送となるため、サンプルの安全性を考えるとハンドキャリーがおすすめですが、比較的安価に輸送ができます。予算によってはコールドチェーン輸送の活用も選択肢の1つです。

CryoSendでは、信頼できる世界各国の輸送会社と提携することで、凍結胚などの生体試料におけるコールドチェーン輸送を可能としています。
輸送プロセスはすべて当社が請け負うため、お客様がドライシッパーや液体窒素を購入する必要はなく、危険物輸送にかかる労力や費用負担もありません。
コールドチェーン輸送にかかる費用については、移送先や距離によって異なるため、お気軽にお問い合わせください。

ドライシッパー輸送を行うときの注意点

ドライシッパーは、大切な命のもとを安全かつ確実に移送するためには必ず必要なものですが、その価格は決して安いものではありません。
そのため、凍結胚移送の費用を抑えるために、ドライシッパーをレンタルしたり購入したりして、専門業者に依頼せず、自分で持ち運ぼうと考える方もいるでしょう。

凍結胚は自分の手に持ってハンドキャリーすることも可能です。
しかし、不妊治療や体外受精(IVF)は非常にストレスのかかる治療です。凍結胚の移送はとても大事なことですが、それによって精神的な負担を感じてしまうことは、不妊治療において良いことではないでしょう。
凍結胚を自分の手で移送する場合、万が一の損傷や紛失、死滅といったリスクもすべて自分で背負わなければなりません。また、重量5kg以上あるドライシッパーを手に持って運ぶというのは、体力的にも大きな負担となるでしょう。
精神的な負担、そして体力的な負担を軽減するためにも、凍結胚の移送は、実績豊富な専門業者に依頼するほうが安心ではないでしょうか。

ドライシッパーの輸送は専門業者に依頼しよう

凍結胚の移送に必要不可欠なドライシッパーの価格は、レンタルの場合でも1回(7日〜15日間ほど)で4万円〜10万円程度、購入する場合は数十万円と、決して安いものではありません。
また、ドライシッパーを手配したとしても、自己移送には精神的かつ体力的な負担がかかります。凍結胚移送中のリスクを最小限に抑えるためにも、ドライシッパー輸送は専門業者に任せることをおすすめします。

CryoSend(クライオセンド)では、国内外のクリニックへの凍結胚・精子・卵子の移送サービスを提供しており、移送に業界最高水準の性能を誇るドライシッパーを採用しています。
CryoSendのドライシッパーは、最低でも1週間〜2週間、最長3週間もの間、マイナス150度以下の極低温状態を保つことができ、お運びするサンプルの品質低下や損傷のリスクを低減いたします。
CryoSendでは、お客様のご要望、移送先までの距離や輸送方法によって、ハンドキャリー輸送もしくはコールドチェーン輸送にて、大切な凍結胚・精子・卵子を安全に目的地までお届けいたします。
移送するかどうかまだ迷っているという方も、まずはCryoSendにお気軽にお問い合わせください。

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